さらば Movatter そしてさらば Twitter…?

2023/09/012
Movatter logo

2010年に Twitter を始めて13年。色々あったがここに来て非常に辛いお知らせが。

先日ついに Twitter 新 API に関する情報が発表された。予想通り、いや予想以上に酷い内容らしく、多くのサードパーティ製アプリが今月中にもほぼ存続不能になってしまうとのこと。

私が Twitter を始めて間もない頃からお世話になっているガラケー用アプリの Movatter さんも、残念ながらサービス終了という苦渋の選択をせざるを得なくなったそうで…

リンク先のお知らせに新 API についての詳細や、Movatter のこれまでの運営に関してわかりやすく書かれている。

親愛なるMovatterユーザーの皆様へ。

2023年3月30日、Twitterの新APIが発表されました。APIと言うのは、簡単に言うとMovatter等のアプリからTwitterに接続し、タイムラインを取得したりツイートを送信したりするための仕組みのことです。今まで無料で利用できていたAPIは今後30日以内に終了し、有料の新APIに移行されます。この無料のAPIが廃止された時点でMovatterのサービスを終了とさせていただきます。

サービス終了までは、Movatterへのログインなどを含め、すべての機能を今まで通りご利用いただけますが、Movatter Proの新規ご購入につきましては既に停止しています。サービス終了時期は、Twitterから「3月30日から30日以内」としか発表されておらず、詳しい時期は不明です。

今回、発表された新APIのプランは、「Free」「Basic」「Enterprise」の3種類です。「Free」は無料ですが、APIのテストにしか使用できません。「Enterprise」は企業や大規模な商業プロジェクト向けで、専任のチームによるマネージメントが受けられるなど、価格は非公開で高額になることが予想されます。

Movatterが有料APIを利用するとなると「Basic」ということになります。「Basic」の利用は月額100ドル=13,251円(3月30日時点)で詳細は以下の通りです。
(1)1ユーザーあたりのツイート投稿は月3,000件まで。
(2)アプリあたりのツイート投稿は月50,000件まで。
(3)アプリあたりのツイート取得は月10,000件まで。

(1)はほとんどのユーザーで問題ない上限です。(2) についても現在のMovatterの利用状況では問題ありません。
しかし(3)がクリアできません。Movatterはたくさんのユーザーが利用しており、そのほとんどはツイート投稿よりもタイムラインの取得がメインになっています。上限の10,000件には1か月どころか1日で達してしまいます。
このツイート取得よりも投稿の限度が多い設定は、ボットなどタイムライン取得よりもツイートを送信するためのサービスを念頭に置いていると思われますが、Movatterのようなタイムライン取得がメインのアプリには全く即していません。

「Basic」プランではサービスを運営するだけのAPIを使用できず、「Enterprise」プランを契約するだけの運営費を用意することもできません。このような事情から、大変残念ではありますが、Movatterのサービスを終了させていただくことにいたしました。

Movatterはちょうど14年前、2009年4月にサービスを開始しました。その頃のTwitterは、まだ機能も少なく粗削りで不安定でしたが、アップデートも頻繁で急速に発展している最中でした。さらにAPIを無料で公開することで、多くのサードパーティ製クライアントが登場しました。サードパーティ製から公式に機能が取り入れられ、その結果APIが強化されてサードパーティ製もより良くなるという好循環が生まれていました。この時の『皆でTwitterを盛り上げているような雰囲気』はとてもエキサイティングだったのを思い出します。

今の人たちには信じられないでしょうが、当時、Twitterはパソコンで利用するものでした。そして、パソコンで人気だったTwitterを外出先でも利用したいと思うのは自然な流れでした。
iPhoneは2007年に既に登場していましたが、まだ一般的ではなく、私を含めほとんどの人はガラケーでした。ガラケーでTwitterを利用するためのサービスはありましたが、自分の好みの使い心地ではなかったため、自分で作ることにしました。そしてせっかく作るのだからと、誰でも登録して利用できるウェブサービスにしたのです。

当時のガラケーは通信速度も遅く、通信量の制限もありましたから、できるだけ通信量が少なく、軽量で軽快に動作するものを目指しました。たくさんの人の好みに合わせられるよう、設定やデザインのカスタマイズも豊富に用意しました。

ツイートを一気見できるまとめ読み機能や、ツイートの会話表示、ツイートの下書き、検索メモ、ブックマークなど、独自の機能も多く実装しました。Twitter公式よりも先に実装して、公式に取り入れられた機能もいくつかあります。
その甲斐もあってMovatterは公開当初からトレンド上位に入るほどの人気でした。(当時は公式のトレンドはありませんでしたが)

順調にユーザー数の増えていたMovatterでしたが、スマホの人気が増えるにつれ、ガラケーユーザー数とともにMovatterのユーザーも減っていきました。ガラケー向けに広告を出稿する広告主もいなくなり、いつしか広告費ゼロの状態に。何年もの間、サーバーの運営費で完全に赤字でした。

公式のガラケーサービスや、サードパーティ製ガラケー向けサービスは既に終了しており、Movatterの終了も何度も検討しました。しかし、ガラケー向けサービスの継続を切望する方々の声を直接聞くことで、ガラケー向けサービスの最後の砦として、ガラケーがなくなるまで運営したいという思いで続けてきました。営利企業ではなく、個人の趣味で始めたことだから赤字でも続けられたというのもあります。
最近では有料のMovatter Pro導入や、ガラケーのAndroid化で再び広告が配信できるようになり、運営費を賄えるようになっていただけに、Movatterの終了はとても残念でなりません。

Movatterのような小さなサービスが14年間も続けてこられたのも、使っていただけるユーザーの皆様あってのことです。本当に、本当にありがとうございました。
Movatterが終了してもTwitterを利用するための手段はたくさんありますので、これからもTwitterをお楽しみいただければ幸いです。

Movatterサービス終了のお知らせ - Movatter

有料版の Movatter Pro や広告費だけで賄えないような仕様ではどうしようもないよな。

それにしても Movatter のこれまでの経緯のくだりを読んでて泣きそうになった。

数ある携帯アプリの中でも群を抜いて高機能かつ軽量で使いやすく、個人で運用されているにも関わらず機能要望や不具合報告にも迅速丁寧に対応してくれていた。ちなみに中の人の個人アカとも何度かやり取りしたこともあったけど気さくな方で好感度高かった。

今だにガラケーユーザーの私にとって最後の砦の Movatter はほんとになくてはならない存在でした。

マスクめ、こんな優良サービスまで排除するような改悪しやがって…

クリスマスやハロウィンなど、季節のイベントごとにロゴデザインを特別仕様に変えていた Movatter さん。お知らせ発表後のロゴはこうなっていた。こちらこそ13年間ありがとうです😥

Movatter Thank You logo

ほんと、まだ望みはあると信じたいけどね。

ただもし仮に Movatter さんが存続出来るようなことになったとしても「ガラケー」自体の運命は既に決まっていて、昨日またこんなお知らせが届いた。

Softbankからのお知らせとマイガラケー

何度も言われなくてもわかってるよ。こちらはあと9ヶ月ほどか…。

まあ携帯はいずれスマホに変えるとしても、Twitter に関しては、マスク氏による度重なる改悪でうんざりしてきたこともあり、もうこの機会にやめちゃおうかななんて考えてる。他の SNS に行くつもりは今のとこないけどね。