約1年ぶりに我が推しプログレバンドの Big Big Train 関連情報を纏めておきます。
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最新アルバム Ingenious Devices レビュー
6月30日に全5曲(約60分)のコンピレーションアルバム "Ingenious Devices" リリースされた。(ダウンロードして以来ずっとヘビロテ状態)
このアルバムは、過去作の収録曲の中から3曲の長尺曲をピックアップ。リーダーで今作収録の全曲の作詞作曲を手掛けているグレッグ・スポウトンが実は満足出来ていなかったという完成度を納得の行く状態にするべく、リミックスやリマスターするだけでなく、一部の楽器を録り直したり、新たにストリングスセクションが加えられており、決定版とも言っても過言でない仕上がりとなっている。
故デビッド・ロングドンのボーカルパートだけは当時のままで手は加えられてはいないが、バッキングトラックがグレードアップした分、まるで新作のようにも感じられる。
メインの3曲は、これまで人類が生み出し発展させていったテクノロジー(蒸気機関車、車、無人惑星探査機)をテーマにしたもの。
試聴音源と各曲レビュー
- East Coast Racer
1938年に世界最速記録を達成したロンドン・ノース・イースタン鉄道の蒸気機関車「マラード」がテーマ。
今や BBT の代表曲と言える作品。中盤の疾走感溢れるアレンジからラストへの展開は何度聴いても鳥肌モノ。
初出は2013年だが、今作のバージョンは2019年当時のオリジナルメンバーによって録り直された最新のスタジオバージョンで、今回新たにストリングスが追加されている。これがマラード。いかにも早そうなフォルム!
Happy East Coast Racer day! https://t.co/byqTA5LOH9
— Big Big Train (@bigbigtrain) 2023年7月3日2番の
Working every hour they had
To build the fire, to drive the engine
Looking to the road aheadの部分は、(デビッドさんの意向で?)ライブでは歌い方を変えていたので、もしデビッドさんが録り直していたとしたら、ライブの様に歌っていたかもなあ。
- The Book of Ingenious Devices
今作唯一の新曲。1と3を繋ぐストリングスの短いインストで、これにより1~3は組曲のような形になっている。
- Brooklands
ブルックランズ: イギリスに1907~1939年まで存在したサーキット兼飛行場。
グレッグさんはこの曲のアレンジに満足出来ていなかったせいもあってこれまで一度もライブで演らなかったんだそう。新録版ではリズムセクションを録り直し効果的にストリングスが挿入されており、今作中で最も大きな変貌を遂げた仕上がりとなっている。 - Voyger
NASA による太陽系の外惑星および太陽系外の探査計画で用いられた無人惑星探査機。人類はついに地球から宇宙へと旅立つ。
この曲は今作中では最も変化は少なく、ギターやヴァイオリンを追加しただけに留まっている。 - Atlantic Cable (Live)
ラストは2022年のライブ音源。新たなフロントマン、アルベルト・ブラヴィンを据えた最新ラインナップによる初のツアーより。
1858年に英米間に敷設された海底通信ケーブルをテーマにした曲であり、この曲も本アルバムの「テクノロジー」というコンセプトに沿っていると言える。
アルベルトさんは、デビッドさんがライブで歌うことが叶わなかったこの難曲を初めて披露することにプレッシャーを感じていたそうだが、このライブの成功で自信を持てたとコメントしている。こちらはこの音源のライブ映像。
過去の作品を究極の形に昇華させ、そして新たなラインナップによる新生 BBT の未来へと繋いでゆくような名盤。単なるコンピレーションとは違う。
InsideOut Music と契約
We are very pleased to confirm that Big Big Train has signed a multi-album deal with InsideOut for new studio releases. https://t.co/NokjeEh4ha
— Big Big Train (@bigbigtrain) 2023年7月31日
BBT はこれまで自主制作レーベルの English Electric Recordings からリリースしてきましたが、この度プログレ系の大手であるドイツの InsideOut Music (Sony グループ)と複数アルバムリリースの契約をしたとのこと。InsideOut には YES や ジェスロ・タルやスティーブ・ハケット等、大御所も多数在籍しています。
ついにメジャーデビュー(?)というわけですねえ。欧州を始め海外では既に名の知れた中堅のバンドですが、日本ではまだまだ知る人ぞ知るという程度の知名度の存在なので、これを機に少しでも知名度が上がって、いずれは日本での初ライブとかの実現にも繋がってくれればいいのですが。(私がブログで推し続けるぐらいじゃ何の宣伝効果にもならないですしw)
アルベルトさんのホームグラウンドであるイタリアのスタジオにて鋭意制作中のニューアルバム(2024年リリース予定)のティーザー映像が公開されました。
1曲のさわりだけですが、めちゃくちゃいいじゃないですか!たぶんこれもグレッグさんの曲だろうと思われますが、アルベルトさんのヴォーカルを意識して作ったような感じもします。相当期待できそうで楽しみ!
デビッド・ロングドン 1stアルバムのスペシャルエディションがリリース
先代ボーカリストである故デビッド・ロングドンさんの BBT 加入前の2004年に自主制作でリリースした1stアルバム "Wild River" がスペシャルエディションとしてリリースされることに。
アルバム・トレーラーと収録曲の "About Time" PV
長らく絶版状態で、デビッドさんはいつかリミックスして再発することを望んでいたものの、生前には叶わず…。その後 BBT のエンジニアで盟友のロブ・オーブリーによる作業によってデビッドさんの夢が叶えられました。
プログレ色は薄くフォークやポップス寄りだったこともあってこれまで聴く機会がなかったけれど、About Time とかすごくいい感じですね。やっぱりデビッドさんの紡ぐ曲や歌声は温かみがあってホッとできるような雰囲気があります。
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