難波弘之 鍵盤生活40周年記念アルバム「一生鍵命」
CDが届いて以来ヘビロテ状態で相当聴き込んだので、ちょっとレビューなんぞを書いてみようかと。
今作は、難波さん個人やライフワークであるセンス・オブ・ワンダー(SOW)名義だけでなく、様々な参加セッションでの曲で構成されています。
全曲レビュー
- 浮遊 / Sense Of Wonder
(作詞:玲里 / 作曲:織田哲郎) - Hokey Pokey Baroquey / ExhiVision
(作曲:難波弘之) - 256001(2016 mix) / 難波弘之
(作曲:難波弘之) - The DOOR INTO SUMMER(2016 mix) / Sense Of Wonder & 吉良知彦 feat.玲里
(作詞:玲里 / 作曲:難波弘之) - Floating Island / 野獣王国
(作曲:難波弘之) - Orb / ExhiVision
(作曲:難波弘之) - SPACE CHANTEY(宇宙舟歌~ただし、船酔い気味の) / 難波弘之
(作曲:難波弘之) - Doggie Bag(2016 mix) / THE HITS!?
(作曲:難波弘之) - Happiness / A.P.J.
(作曲:難波弘之) - ODEN~往時電車
(作詞・作曲:難波弘之) - Proto~Consciousness / EDEN
(作曲:難波弘之) - ココロと心臓 / Sense Of Wonder
(作詞:森雪之丞 / 作曲:難波弘之)
最初にも書きましたが、とにかく歌詞がいいです。心に染み入ります。まず冒頭の…
遥か上空へ旅立った人よ
争いの声なき宇宙から見守ってくれているね
昨年沢山の偉大なミュージシャン達が天に召されました。難波さんと縁のあるキース・エマーソンや吉良知彦氏も・・・そんな人たちへの思いも込められているのかもしれません。
作曲とアコギとコーラスは難波さんの1stソロアルバムでもゲストボーカルで参加した縁のある織田哲郎氏。ちなみにその1stアルバムは当初全てゲストボーカルに歌って貰うつもりだったのが、山下達郎や吉田美奈子に自分で歌いなさい!とけしかけられて渋々歌ったそうですが、40年経って随分歌もお上手になりました( ̄ー ̄)
穏やかなバラードですが、演奏はSOW(そうる透、松本慎二)なので当然プログレテイストも満載です。
強者集団のハードフュージョングループですが、この曲はオルガン主体のミディアムテンポの穏やかな曲調となっています。上品でシックな雰囲気が漂っています。
ヴァイオリンとピアノのデュオ曲。2014年にリリースされた東海道新幹線50周年記念アルバム「走れ!夢の超特急楽団」のために作られた曲です。主題のリフレインが印象的でとても繊細で美しい曲です。ちなみにタイトルは時速256キロを出した記念に付けられた車両番号だそうです。
演劇集団キャラメルボックスの「夏への扉」の舞台用に作られた曲。作詞とヴォーカルは玲里。まさに夏にピッタリの超爽やかなPOPチューンです。演奏はSOWですがプログレ色は抑えめです(笑)
難波さんの盟友で本アルバムのリリースを待たずに銀河鉄道で旅立ってしまった吉良知彦氏がギターで参加しています。
ExhiVision同様、こちらもまた強者共によるハードインストバンドの新曲。野獣の名前とは裏腹に、この曲もまた穏やかな雰囲気のスローナンバーとなっています。
再びExhiVision。こちらは変拍子が印象的でややハードなナンバー。
アニメ「SPACE☆DANDY」のための書き下ろし曲。難波さん名義ですが演奏はSOWでギターで芳野藤丸氏が参加。監督からの「真幻魔大戦」のような感じで、というリクエストに応え、バリバリのプログレナンバーになっております。
難波さんがオルガンしか弾かないというコンセプトのカバー中心のトリオ。本作はサイケな雰囲気なオリジナル曲。唯一この曲だけはイマイチ好みじゃないかも(^^;
アコースティック・プログレッシブ・ジャズという、まさに名前通りのコンセプトのピアノ・トリオ。本作はプログレよりもジャズ色が強めな佳曲です。
2014年リリースの鉄道コンピアルバム「恋する鉄道」用の歌もの。めっちゃほのぼの路線で癒し系な曲です。難波さんの優しい歌声によく合ってます(^^)
難波さんが幼少時代を過ごした東京の下町を走る都電荒川線を歌にしてみたという歌詞は、本人曰くご当地ソングみたいになってしまったと(笑)
2008年リリースの打ち込み中心のアンビエント系?アルバム「EDEN」の続編としての書き下ろし曲。ヒーリングっぽい雰囲気で癒やされます。
ラストを飾るのは難波さんと同じく作詞家生活40周年を迎えた森雪之丞氏との久々のコンビによる、切なく胸がキュンと鳴るような8分を超えるドラマチックな大作です。冒頭の「浮遊」もそうですが、この曲も歌詞が珠玉の出来栄えです。
ココロは二十歳のまま
アナタの心臓が ココロに変わるまで
アナタの唇が ココロを語るまで
ロボットと人との切ない恋を描いたと思われる、SF好きな難波さんにピッタリの、まさに本作を締めるに相応しい名曲です。この曲もテンポは早くなく落ち着いているのですが、そうる透氏のドラムが隙間を埋めるかの如く凄まじい手数で暴れまくっているのも痛快で印象的です(´▽`)
最後に
難波さん、様々なタイプの曲が並ぶことで曲順に悩まれたそうですが、通して聴いてみると、M1以外難波さんの作曲だからということもありますが、まったく違和感なく全てが繋がっているかの如く完璧な構成で、73分というボリュームでも長さを感じずあっという間です。40年間の音楽生活を総括する様な名盤だと思います!
さて、次回のCDレビューは、難波さんのDNAを引き継ぐ玲里の3rdアルバムを予定しています。
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