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オフ・コース「SONG IS LOVE」

2023/08/13

旧ふじろぐ(ココログ)でオフコースの思い出を語りましたが、今回はオフコースの中で一番大好きなアルバム「SONG IS LOVE」について書きたいと思います。(昨日久し振りに聴いたら無性に書きたくなったもんで)

プログレみたいな濃いのばっかり聴いてると、たまにこういう一服の清涼剤的なものが聴きたくなりますね(笑)

オフ・コース「SONG IS LOVE」(1976)

SONG IS LOVEジャケットSONG IS LOVE歌詞カード写真
ファビコンオフコース
サムネイル
SONG IS LOVE | オフコース
本サイトはUNIVERSAL MUSIC LLCが運営するOff Course公式サイトです。
http://sp.universal-music.co.jp/offcourse/disco/album/toct-95035/

1976年にリリースされた、スタジオ録音盤としては4作目のアルバムです。

今作までは「オフ」と「コース」の間に「・」が入るのが正式表記でした。

とてもシンプルなタイトルですが、このジャケットの「SONG IS LOVE」を冠したOff Courseのロゴが今後しばらくオフィシャルロゴとして使われるようになります。

2枚目の写真(歌詞カード表紙)を見ると分かるように、この頃はまだ小田和正と鈴木康博のデュオ時代(二人とも20代!)ですが、後に正式メンバーとなり黄金時代を支える事となる大間ジロー(Ds / Perc)と松尾一彦(G / Harmonica)が初参加していることもあり、それまでのフォーク路線から、よりバンドサウンドが色濃くなり、ポップスやロックやジャズなどアレンジが多彩になっています。(ちなみにこの後ベースで加入する清水仁は、今作には契約上の都合でコーラスのみで参加している)

「SONG IS LOVE」のタイトル通り、「愛」「歌」そして「人生・青春」がキーワードとなる曲がメインとなっています。

ちなみに私が今作を初めて聴いたのが30数年前の中学生の時。

当初はその後にリリースされた全盛期の作品に比べ地味な印象しかなく、まだ良さは分からなかったのですが、あるきっかけでSONG IS LOVEのフルバンドスコア(音楽春秋社)を購入しまして、それと照らし合わせながらじっくり聴き込んでいく内に、やがて一番のお気に入りのアルバムとなりました。

ただ、ディープなオフコースファンの間でも他作に比べ人気はイマイチらしい?ですね。隠れた名曲揃いなんですけどねえ(^^;

では、そんな個人的思い入れも強い収録曲を紹介していきたいと思います。

全曲レビュー

Side 1

  1. ランナウェイ (作詞・作曲: 鈴木康博)
  2. アルバム1曲目を飾るにふさわしいややアップテンポなロックナンバー。ライブではさらにハードさが増していて盛り上がります。今作以降、次第に康さんのロックっぽい曲が増えていきます。

  3. ピロートーク (作詞・作曲: 鈴木康博)
  4. 続いても康さん。一転今度は落ち着いた曲。

    冒頭の歌詞…

    やるせない夜も 眠れぬ夜も
    私にはもう 訪れはしない

    小田さん作のヒット曲「眠れぬ夜」が思い浮かんできますが、因果関係あるのかな?
    今は枕元にいつも安らげる愛する人がいる、という曲ですが、ちなみに康さんは既に結婚しており、小田さんはまだ独身でした。

  5. こころは気紛れ (作詞・作曲: 小田和正)
  6. 小田さん1曲目はキャッチーなメロディのポップスで、後に10thシングルとしてリリースされました。
    シングルバージョンよりもややテンポ抑えめで落ち着いたアレンジになっています。
    アウトロでの松尾さんのハーモニカも印象的です。
    ちなみにこの頃密かに海外進出も企てられており、この曲を含めた数曲の英語バージョンも存在します。

  7. ひとりで生きてゆければ (作詞・作曲: 小田和正)
  8. シックな雰囲気の佳曲。8thシングル。
    康さんとは対照的に、倖せに背を向けて生きていきたい、というのが印象的な曲です。

  9. ひとりよがり (作詞・作曲: 鈴木康博)
  10. 程よく力が抜けた感じのほのぼのした小曲。
    間奏に頑固爺さんのセリフが入りますが、康さんの声らしいです。

  11. 青春 (作詞・作曲: 鈴木康博)
  12. 歌詞も雰囲気も小田さんの「ひとりで生きてゆければ」に近い感じで、青春に別れを告げる歌です。
    ただ小田さんの方はやや未練たらしいものを感じなくもないですが、康さんのこの曲は潔さのようなものを感じます。

Side 2

  1. めぐる季節 (作詞・作曲: 小田和正)
  2. 9thシングル。「こころは気紛れ」同様明るいポップナンバーです。
    Aメロでのジローさんのリズムパターンも凝ってます。
    この曲のラストも松尾さんのハーモニカソロがフィーチャーされています。

  3. おもい違い (作詞・作曲: 鈴木康博)
  4. 自分たちのことを歌ったと思われる曲。
    歌うことの楽しさ、歌うことの意味、そんな思いが綴られています。
    康さんにとっての今作のテーマ曲と言っていいでしょう。

  5. 青空と人生と (作詞・作曲: 小田和正)
  6. 小田さんもこの曲で「歌うこと」について綴っています。
    自分の歌で何ができるだろう、と自問自答しながらも歌い続けていくだろうと。
    青空と人生と、そして「あなた」を歌っていきたいと。


  7. 恋はさりげなく (作詞・作曲: 鈴木康博)
  8. 三拍子でムーディーなややジャズ風味の佳曲。
    康さんの曲の中でトップ3に入るほど好きな曲です。

  9. 冬が来るまえに (作詞・作曲: 小田和正)
  10. ドラマチックな6分近い大作。
    同名の有名なヒット曲がありますが、もちろん全く別の曲です。
    間奏のピアノ&ストリングス~エンディングへの展開が鳥肌モノのです。

    初披露のライブより。歌詞を間違えたり、小田さんの緊張が伝わってきます。

  11. 歌を捧げて (作詞・作曲: 小田和正)
  12. 三拍子で小田さんのビブラフォーンの音色が印象的な「歌の癒やし」がテーマのバラード。
    ラストの歌詞…

    私の歌すべて あなたにあげる

    で、本作の幕を閉じます・・・と、思いきやエンディングにまだ続きがあり、この部分は次作「JUNKTION」の1曲目のイントロへと繋がる、という凝った展開になっております。

最後に

本作は曲順も完璧で、特に旧B面の3~6の流れは絶妙だと思います。是非アルバム通して聴いてみて欲しいです。

最後にオマケで「こころは気紛れ」のシングルバージョンを。
アルバムバージョンとはテンポ、アレンジ、エンディングの展開が異なります。